一般記事
県河川整備委員会 「事業継続」を了承 大和川水系布留飛鳥圏域事業再評価 7河川9工区対象に 布留川北流は段階的施工を検討
2024.12.26 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部河川整備課は、第108回奈良県河川整備委員会(委員長・川池健司京都大学防災研究所教授)を、さる19日に奈良経済倶楽部(奈良市東向中町6―6経済会館)で開催し、大和川水系(布留飛鳥圏域)について事業再評価を行った。次回の第109回委員会は令和7年3月25日に開催して進捗点検(環境モニタリング調査結果を含む)のとりまとめを行う予定。
河川整備計画は長期計画のため、社会情勢の変化や自然環境の影響等を適切に反映できるように適時点検(フォローアップ)を行う必要がある。委員会では、策定した河川整備計画のフォローアップとしての進捗点検の役割を持っており、その役割には、当該計画に基づく事業についての奈良県公共事業評価監視委員会に代わる事業再評価に関する審議も含んでいる。平成24年度から開始した進捗点検も28年度までにすべての河川整備計画について完了しており、29年度から2巡目、令和4年度から3巡目の進捗点検を実施している。
委員会ではまず、第107回委員会での議事概要と委員からの意見への回答を確認、大和川水系(布留飛鳥圏域)に係る県からの説明を受けた。6年度に実施する大和川水系(布留飛鳥圏域)の事業再評価を行う対象河川は大和川(初瀬川)・布留川北流・布留川南流(2工区)・寺川・飛鳥川(2工区)・米川・新川の7河川9工区。いずれも事業の必要性等に関する視点及び事業の進捗の見込みの視点から「事業継続が妥当」との事務局案を了承した。担当は河川計画係 (電話0742―27―7507)。各河川改修事業の概要は次の通り。
【大和川(初瀬川)】
桜井市内の庚申橋下流付近(大泉)~国道169号三輪大橋(三輪)1550㍍のうち下流側200㍍が整備済。6年度時点でまで庚申橋上流右岸の地籍混乱地の用地確保が完了した。今後5年間で纒向川・三輪川合流部までの施工を行う予定。全体事業費52・9億円、残事業費27・3億円。
【布留川北流】
天理市内の富堂川分流点(東井戸堂町)~布留川分流点(守目堂町)900㍍のうち5号井堰の手前までの410㍍が整備済。6年度時点で勘定橋上流~無名橋の段階的施工について検討(内外エンジニアリング奈良営業所が担当)。5号井堰の改築(固定堰→可動堰)に向けた水利組合との協議を継続するとともに、用地買収に向けた地元交渉を進めている。今後5年間で5号井堰改築に向けた水利組合との協議と、無名橋の架替及び勘定橋上流~無名橋の護岸整備の先行施工について検討する。全体事業費36・7億円、残事業費21・8億円。
【布留川南流】
A工区(天理市吉田町地内の西門川合流点上流~吉田井堰)170㍍は整備済。
B工区(天理市内の筑紫大橋〈九条町〉~中村池付近〈田町〉)900㍍のうち下流側660㍍が整備済。6年度時点で両岸90㍍の護岸整備を実施、公図の訂正及び土地家屋調査を進めている。今後5年間で用地買収及び天理市道(乙木合場線)の橋梁架替を行う予定。全体事業費億32・9円、残事業費6・3億円。
【寺川】
竹田橋(橿原市東竹田町)~粟原川合流点(桜井市上之庄)2650㍍のうち下流側1300㍍及び佛生井堰が整備済。6年度時点で佛生井堰の移設及び護岸整備を実施、佛生橋下流の護岸整備及び橋梁下部工を実施中。今後5年間で佛生橋の架替及び佛生橋上流の護岸整備を行う予定。全体事業費84・1億円、残事業費34・1億円。
【飛鳥川】
三宅は三宅町内の新川合流点(小柳)~かんでん川合流点(但馬〉1900㍍のうち下流側460㍍が整備済。直近5ヵ年で護岸整備両岸50㍍を実施、6年度時点で出屋敷新橋の架替工事を実施中。今後5年間で出屋敷新橋の架替と出屋敷新橋上流の護岸整備を行う予定。
橿原~柏森は近鉄橿原線橋梁上流(橿原市兵部町)~柏森橋下流(明日香村柏森)9800㍍のうち柏森橋下流の350㍍(下池)と340㍍(上池)が整備済。6年度時点で橿原は近畿地方整備局奈良国道事務所において歩道整備に伴う橿原橋の架替を計画中。柏森(神奈備の郷・川づくり事業)は貯留施設が完成済、2年~5年にかけて両岸30㍍で護岸整備を実施、無名橋の架替を実施中。今後5年間で、橿原は国施工による橿原橋の架替に伴う仮橋施工の借地等について奈良国道事務所と調整し、柏森は護岸整備及び橋梁架替や植栽を行う(8年度完了予定)。全体事業費109・3億円、残事業費50・7億円。
【米川】
橿原市内の木原橋上流(木原町〉~中の川合流点(出合町)1900㍍のうち下流側660㍍が整備済。6年度時点で護岸整備両岸60㍍を実施、上流に向かって護岸整備を実施中。今後5年間で極楽橋の架替及び極楽橋上流の護岸整備を行う予定。全体事業費40・9億円、残事業費19・6億円。
【新川】
三宅町内の飛鳥川合流点(小柳)~三宅町石見都市下水路合流点(伴堂)1340㍍のうち飛鳥川合流点側360㍍が整備済。直近5ヵ年で逆流防止樋門工事を実施、6年度時点でそれに係る護岸整備を行っている。今後5年間で護岸整備と旧橋(無名橋)撤去を行うとともに、下流から360㍍付近の整備必要区間から上流の整備を進める予定。全体事業費11・5億円、残事業費4・3億円。
(吹上)