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県公園緑地課 1月10日までパブコメ まほろば健康パーク基本計画(案) 12年秋の開業へ7年度に基本設計 PFI方式+Park―PFI検討 PFI事業者の選定は9年度に予定
2024.12.19 県地域デザイン推進局
奈良県県土マネジメント部まちづくり推進局公園緑地課は、既存公園エリアを含めた公園全体でインクルーシブ機能の確保を基本方針とする「まほろば健康パーク基本計画(案)」をまとめ、パブリックコメントを実施している。
令和12年秋の開業をめざして今年度内に基本計画策定、7年度に基本設計、8年度には民間事業者(運営事業者を先行)を選定(設計と建設を担うPFI事業者選定は9年度)、9年度から民間事業者による設計・工事・運営等に充てる。
案は公園緑地課のHPに掲載しているほか、県政情報センター(県庁舎東棟1階)・県民お役立ち情報コーナー(県立図書情報館、奈良県産業会館、橿原総合庁舎、吉野町中央公民館の県内4か所)・県公園緑地課(県庁分庁舎6階)でも閲覧できる。意見を7年1月10日まで概要版に添付のハガキ・FAX・ホームページ掲載のメール・送信フォームより都市公園係(電話0742―27―8069)で受け付けている。
案は▽すべての人が楽しく利用できる公園=幅広い世代のこども、保護者の交流を促す公園▽こどもの主体的な遊びを通して子育ち・子育て支援に資する公園=多様なニーズに対応できるようにプレーリーダーを配置する等、運営を充実させるとともに民間のノウハウを積極的に導入して魅力的なサービスを提供―を基本コンセプトとしている。
公園基本計画の見直し行う業務を一般競争入札「まほろば健康パーク機能強化区域民間活力導入検討業務(補助都市計画公園事業(社会資本)(都づくり))第413―委5号」により三井共同建設コンサルタント奈良営業所(奈良市大宮町3―2―50)に委託して5年度から業務を進めている。業務場所は大和郡山市額田部南町、川西町下永。
公園は、下水処理施設の周辺環境対策施設として昭和49年2月に都市計画決定を受け、県民にスポーツと憩いの場を提供することを主たる目的とした運動公園11・8㌶(計画面積12・8㌶)として設置した。設置目的を踏まえつつ平成26年にはスイムピア奈良などの新たなスポーツ施設を導入したリニューアルをPFI―BTO方式(指定管理者制度を併用)により実施し、県民の健康やスポーツ・運動を支える県営公園のひとつとして機能を発揮している。
今回の基本計画(案)は、「奈良県こども・子育て推進本部会議(令和5年7月)」での「障害の有無にかかわらず楽しく安全に遊べる場所(公園)が少ない」という意見を踏まえ、令和5年12月に「まほろば健康パークにおけるインクルーシブ機能検討委員会」を設置し、6年2月~11月に合計5回開催された内容に基づき、整備方針及び維持管理・運営に係る基本的な考え方をとりまとめたもの。 多様な子どもが自分らしく様々な遊びをともに楽しめる場の確保をめざす。また多世代の人々が憩い交流しやすい施設や環境を整えるためのゾーン配置等の考え方等は次の通り。駐車場は公園内の施設にすべての利用者がアクセスできるように各エリアに隣接した場所に配置する。
▽交流エリア=来園者の交流拠点としてまほろば健康パークの中心地に設ける。また、このエリアにある既存の貯留機能の強化を図る①交流エリアの周囲にベンチ等を配置してシェードや樹林の木陰を利用してくつろげる場所を設ける②交流エリアや周囲の樹林エリアを楽しめるようにバドミントンなど公園あそびグッズや日除けとなる道具とテーブル・椅子等の貸し出しを行い1日のんびりと過ごすことができるようにする③交流エリアの丘陵を平坦にして遊びやすくするとともに出水時における貯留機能の強化を行う。
▽大屋根広場エリア=南側の玄関口に設ける。このエリアは大屋根の集客力を活かし公園のコンセプトを踏まえて民間活用施設の導入を進め、民間の発想を活かして屋内遊戯場や飲食施設等の入る便益施設を設置する①雨天時等にも遊ぶことの出来る大屋根を設置する②屋根の下で大人はくつろぎながら子どもの遊ぶ様子を見守ることができるようにベンチ等を設ける③広場の中心にエントランス広場からプロムナードの先の目印となる噴水等を設置してみんなが水に親しむことのできる場所とする④大屋根広場の周囲にはインクルーシブ遊具やモバイル遊具を設置して子どもが遊べるようにする⑤大屋根の下で多様な運動プログラムやイベントを開催する。
▽プレイパークエリア=大屋根広場に隣接する西側の拡張エリアに設ける①子どもとのワークショップを通じて遊び場の設計を進める②車椅子利用者を含む多様な子どもが遊びに参加しやすい環境をめざす③運営開始後はプレーリーダーを配置して子どもが自由に遊べる環境をつくり、子どもの遊びを活性化させる。また、プレーリーダーの支援のもと子どもたちが主体的に遊具の製作更新に携わる④プレイパークエリアでは水や火を使った遊びも可能とする⑤プレイパークエリアとアウトドアエリアの利用者が利用できるシャワー施設を整備する。
▽アウトドア・樹林エリア=プレイパークエリアと親和性があることからその北側に隣接させる①トレーラーハウスやコンテナ型トイレを配置し災害時等に活用できる施設を準備して平常時には宿泊施設等として活用する②テント等で宿泊することができるようにするとともにアウトドアに必要な炊事場を整備する③バーベキューを楽しむことの出来るスペースを設けるとともに必要な材料や食材の提供を行う④樹林を活かしてアスレチックや木登り等の体験ができる施設を設ける。また、多様な子どもが自分に合った遊び方や挑戦を選べるよう留意する。
▽既存公園エリア=既存公園エリア内の施設についてもインクルーシブ機能の確保に向けて①テニスコートをハードコートにして車椅子利用者も一緒にテニスを楽しむことができるようにする②スイムピアは障害のある人も一緒に楽しむことのできる大型SUP等の教室を開催する③子ども広場は遊び方が単一になっている遊具について子どもとのワークショップを通じて多様化を行う④野球場はサッカーや野球などボール遊びができるように球技エリアとして一般開放を行い、ボールを使った多様な教室やイベントを開催する―へ必要な改修や運用の変更を行う。
近年の温暖化に対応できるように各エリアに日除けのできる休憩場所を配置する。各エリアに男女別のトイレの他に大人用の大型ベッドや介助スペースを確保され、異性介助者が周囲の視線を気にすることなく入ることができるバリアフリートイレを設置する。
費用負担の考え方について、民間活用施設等の収益の見込める施設は民間による費用負担による整備と管理・運営を想定し、設置許可とPark―PFI等の事業形態については事業者とのサウンディングにより検討する。駐車場・広場・大屋根等の収益性の低い施設は公共による費用負担による整備を想定し、その中の一部は民間活用施設等の収益により整備するPark―PFIの可能性を検討する。これらの施設の管理・運営費用の負担は公共と民間による混合型を想定し、トライアルサウンディングにより民間事業者による運動プログラム等の運営事業に関する収益性を確認して公共の負担額を検討する。
事業手法は①PFI方式+Park―PFI(or設置許可)②運営先行PFI方式(サービスプロバイダ方式)+Park―PFI(or設置許可)③DO方式―の3案について、公園の基本コンセプト及び基本方針を充分に踏まえたうえで「さまざまな人の意見を反映させることができる等の柔軟性」「管理・運営、建設に関する民間ノウハウの活用度」「管理・運営、建設に関する価格競争性」の指標で比較検討した結果、総合的に優れていると考えられる「運営先行PFI方式(サービスプロバイダ方式)+Park―PFI(or設置許可)」の手法の導入を検討する。