一般記事
郡山土木 富雄川護岸工事
2023.5.12 県郡山土木事務所
西安堵井堰の上流を整備
上流に向け整備を推進
第2四半期発注を予定
奈良県郡山土木事務所は「富雄川河川改修事業」を進めており、安堵工区において、出水期明けに護岸の整備を予定している。
安堵工区は、安堵町笠目の高瀬井堰から大和郡山市外川町の外川橋までの計画延長約5500㍍の区間で、現在、西安堵井堰から阿波興留井堰間の整備を行っており、昨年5月に「西安堵井堰取付擁壁工事」を終え、西安堵井堰から上流の右岸側において5月末完了予定で「取付擁壁工事」を行っている。今年度は、さらに上流に向かい「護岸工事」を予定しており、第2四半期発注を目指し、現在、設計を進めている段階で、来月には施工箇所などの具体的な概要も決まってくる見込み。工期は9カ月で出水期明けの着工を予定している。
富雄川は、生駒市北部くろんど池を源に、矢田丘陵と西の京丘陵の間を流下し、斑鳩町と安堵町の境で大和川に合流する流域面積約45平方㌔㍍、流路延長約22㌔㍍の一級河川。下流部における未改修区間などで河川の断面が不足し、洪水を安全に流すことができない状況にあり、県は、概ね10年に1回の確率で発生する洪水を安全に流下させるため「大和川河川整備計画」に基づき、「富雄川河川改修事業」として河床の掘削等による河川の断面拡幅などの河川改修を進めている。
現在3つある工区の内、奈良工区、上芝工区はすでに完了、最も延長の長い安堵工区で整備を進めており、これまでに工区全体の1割程度に当たる西安堵井堰より下流の整備を終えている。現時点で、整備は上流に向け推進しており、現在進めている西安堵井堰から阿波興留井堰間の整備により、浸水常襲地域の斑鳩町高安での被害軽減が見込まれている。
さらに上流に向け整備を進めることで、斑鳩町、安堵町など沿川の浸水想定区域での被害解消が期待されている。また、県は、流下能力を向上させ、沿川住民の浸水被害に対するリスクを低減すると同時に、「自然環境の復元、周辺景観と調和した河川景観や親水空間を創出する」として、多自然の環境ブロックの採用や、高水敷の河川空間利用を織り込むなど、景観・環境に配慮して整備計画を進める方針で、周辺の生活環境と調和した河川整備を目指している。