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県まちプロ推進課 駅の移設や駅前広場を 近鉄郡山駅周辺整備事業 三者協定の今年度内締結めざす 三の丸駐車場の移設・整備や現駅舎跡地活用
2022.12.15 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部まちづくりプロジェクト推進課は、近鉄郡山駅周辺整備事業について▽新駅舎の建設及びこれに伴う軌道工事等は近鉄が施工し、 費用は国庫補助を活用したうえで、三者で均等に負担する方向で協議する▽その他に駅前広場・バスターミナル等の整備は大和郡山市が施工し、今後、費用等について協議する―の内容で協議を進めている。
県は「関連する事業のうち、駅の移設(新駅舎の整備等)について、役割分担及び費用負担等について定める県・大和郡山市・近鉄の三者協定を、今年度中をメドに締結すべく取り組む」とする検討状況を明らかにした。
県と大和郡山市では「城下町の風情を生かし、歩いて健康に暮らすことができるまちづくり」をめざし、まちづくり基本協定(平成28年)及びまちづくり基本計画(令和元年)に基づき、近鉄郡山駅の移設や周辺整備について検討を進めてきた。このうち特に駅移設(新駅舎の整備等)には、鉄道事業者である近畿日本鉄道の協力が必要不可欠であるため、同社を交えた三者協議を積極的に行ってきた。担当は交通まちづくり推進係(電0742―27―8031)。
近鉄郡山駅周辺地区は、鉄道駅や商業・業務施設と公共公益施設及び歴史・文化資産等が集積し、まちづくりにおいて重要な地区であるものの、地区内の道路は総じて幅員が狭く、駅前広場は未整備で、自動車でのアクセスや安全な歩行に支障が生じている。特に高田矢田線は市の玄関口である近鉄とJRの郡山駅を直結するとともに、中心市街地を東西に横断する道路であるにも関わらず、幅員が狭く未整備なうえ歩行者が多く、近鉄橿原線と平面交差する踏切部も歩車分離されておらず危険な状態であるなど課題となっている。
平成26年11月に県と大和郡山市でまちづくりに関する包括協定、27年6月に変更協定、28年8月基本協定を締結して基本的な方向性を定めた基本構想を、令和元年7月に基本計画を策定している。
まちづくりの方針は①近鉄郡山駅周辺が大和郡山市全域の活力・暮らしやすさを牽引する地区として発展していける②地区内に分布する豊かな資源を、観光客が楽しみ、居住者が誇りに思える③地区内道路の安全を確保し、住民が歩いて健康に暮らすことができ、地区外の人も歩いて周遊観光を楽しめる④地区のコミュニティが活発で、官民が連携して活力を創造する―まちづくりとしている。基本計画における主な事業内容は次の通り。
▽近鉄郡山駅舎の移設=現駅舎を約150㍍北へ移設し、橋上駅舎構造とする。6年度以降に基本・実施設計を進め、11年度以降に用地取得と整備。
▽自由通路・デッキの整備=駅西側に高架構造の自由通路とそれに繋がるデッキを整備する。6年度以降に基本・実施設計を進め、11年度以降に用地取得と整備。
▽駅前広場の整備=①駅東側は現在のバスターミナルの位置に駅前広場やバスターミナルと送迎スペースを整備する②駅西側は駅前広場を新設する。6年度から基本・実施設計を開始し、11年度までに用地取得と整備に着手。
▽駅前駐車場の再整備=三の丸駐車場を移設・整備する。6年度から基本・実施設計と仮設駐車場の整備、11年度までに現駐車場の撤去と駐車場の整備。
▽矢田町通りにおける道路空間の整備=矢田町通り(駅東側)における美装化・無電柱化と水路整備等。11年度以降に設計と整備。
▽駅西側の自動車交通ネットワークの整備。10年度までに用地取得・設計と整備に着手。
▽近鉄郡山駅跡地整備=現駅舎撤去の跡地活用。11年度以降に基本・実施設計と整備。
このほかに公共公益施設が集まる現機能の維持・向上として▽民間施設等誘致事業=賑わい施設・公益施設等の配置検討・誘致▽観光拠点施設整備事業=観光情報施設、賑わい施設等の整備―の事業にも6年度以降に基本・実施設計、11年度以降に整備に取り組むとしている。