一般記事

県まちプロ推進課 全日本コンサルに委託 西大寺駅高架化・近鉄線移設 路線計画の比較検討と新駅設置の効果・影響

2021.10.19 県土マネジメント部

 奈良県まちづくりプロジェクト推進課は、令和3年度に大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設に係る改良方法のうち路線計画の比較検討及び新駅設置の効果・影響の検討を実施することにしており、業務を公募型プロポーザルにより全日本コンサルタントに委託した。
 奈良県県土マネジメント部まちづくりプロジェクト推進課は、「平城宮跡周辺地域における街路渋滞対策検討業務委託第580―委―1号」の公募型プロポーザルで、全日本コンサルタント奈良営業所(奈良市尼辻北町10番1号)から提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、64・5点で受託業者として特定、1998万7000円込(業務量の目安は2000万円込が限度)で契約を締結して業務を委託した。
県は、奈良市及び近畿日本鉄道と「大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設事業」について三者の協議が整い、地方踏切道改良計画を策定し、3月25日付で国土交通省に提出している。事業費約2000億円、2060年の事業完了をめざす。
奈良市中心市街地の渋滞対策については、従来からさまざまな検討や対策がなされてきたが、近鉄線の踏切に起因する大和西大寺駅及び平城宮跡周辺地域の渋滞が解消されていない状況。また、平城宮跡が国営公園として保存・活用を目的として整備されることから公園の一体整備を図ることとなった。
平成29年4月には県・奈良市・近鉄の三者による大和西大寺駅周辺及び同駅以東における近鉄奈良線沿線地域のまちづくりに関する連携協定を締結し▽地域における交流促進・賑わいづくり▽渋滞解消▽駅周辺の交通結節点機能の強化等に向けた検討(三者協議)を行うこととなった。
この地域では8つの踏切道が29年と30年に踏切道改良促進法に基づく指定を受けた。三者協議及び奈良県大和西大寺駅周辺及び同駅以東地域踏切道改良協議会合同会議を経て、令和2年度末に大和西大寺駅の高架化(8ヵ所の踏切改良)と平城宮跡から近鉄奈良線の移設(地下化)という改良方法を記載した地方踏切道改良計画を策定した。事業手法は連続立体交差事業を想定している。これに基づいて3年度は引き続き計画の詳細について関係者と協議を進めていく。
今回の業務では、合意した改良方法のうち路線計画の比較検討及び新駅設置の効果・影響の検討を実施し、協議の基礎資料とする。業務場所は奈良市。委託期間4年3月25日。担当は交通まちづくり推進係(電話0742―27―8031)。
打合せ協議は業務着手時・中間時3回・成果品納入時の計5回行う。成果品は①CD―Rに納めた電子データ2部(正副)②製本版(簡易製本の報告書)2部③図面(A3縮小版)2部。業務内容は次の通り。
【計画準備】
業務の目的・趣旨を把握したうえで設計図書に示す業務内容を確認し、共通仕様書第1111条業務計画書第2項に示す事項について業務計画書を作成し、調査職員に提出する。
【路線計画の比較検討】
当該地域における8踏切の地方踏切道改良計画に記載された改良方法について三者協議において詳細な検討を行うため、鉄道の構造と線形等について検討を行う。西大寺車庫のあり方(一部機能移転・全機能移転)と整備効果の最大化及びコスト縮減・工期短縮等の観点から検討を行うものとし、受注者は複数の比較検討案を提案する。
比較検討案については県と協議のうえで4案程度を選定し、それぞれの案に対して平面設計(縮尺1/2500)、縦断設計(縮尺横1/2500、縦1/400)、西大寺駅配線略図(1/500)、車庫配線略図(1/500)を作成する。なお、比較検討の結果、関連道路等の計画について見直しが必要となった場合はその検討も行う。
【新駅設置効果・影響の検討】
前項を踏まえ、大和西大寺駅と近鉄奈良駅の間において新駅は大和西大寺駅と新大宮駅間に1駅、新大宮駅と近鉄奈良駅間に1駅を想定し、新駅のwith・withoutにおける設置パターンごと(2新駅設置と1新駅設置の2パターン)に需要予測を実施し、新駅設置効果・影響の検討を行う。また、検討に当たっては、西大寺車庫のあり方の検討結果を踏まえ、西大寺車庫跡地の開発による流入人口を設定し、新駅設置効果・影響の検討に反映する。
なお、「鉄道プロジェクトの評価手法マニュアル2012改訂版」(国土交通省鉄道局監修、運輸政策研究機構発行)を参考とし、競合または補完する鉄道事業者の供給者便益も考慮する。
【報告書の作成】
業務内容の各事項及びその検討過程において収集した資料をとりまとめ、報告書を作成する。   (吹上)

会員登録
一覧に戻る