一般記事

県リニア・地域交通課 検討会議を設置へ 大和西大寺駅・平城宮跡周辺渋滞対策 県・奈良市・近鉄の協議会の下部組織 総事業費算出と整備の経済効果を検証

2025.12.9 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部リニア・地域交通課は、大和西大寺駅の高架化について去る1日に行った山下真県知事定例記者において「大和西大寺駅・平城宮跡周辺の渋滞踏切道の解消に向けた協議会」での協議に向けて必要な検討を⾏うため、県と奈良市・近畿日本鉄道の3者による⼤和⻄大寺駅周辺の渋滞踏切道対策を検討する会議を設置する―と公表した。
 県の県⼟マネジメント部長、奈良市の都市整備部長、近鉄の未来創造部長で構成し、今年内に第1回を開催し、それ以降は概ね月に1回をメドに開催していく予定。
 議題は①総事業費の算出等=⼀定の事業方針を仮案として概略設計のうえで総事業費を算出し、事業費だけでなく高架化やその周辺整備に伴う経済効果も検証②交通シミュレーション調査の実施=3者連携の下で交通シミュレーション調査を実施し、事業の効果等を検証③速効対策=考えられる速効対策案を検討―を予定。
 同課では現在、近鉄大和西大寺駅周辺の交通動態を詳細に把握するため、令和7年度に交差点方向別交通量調査等の交通動態調査を実施、その調査結果をもとに交通シミュレーションモデルを構築し、同駅周辺の高架化等による渋滞緩和の効果を検証する業務を実施している。
一般競争入札「令和7年度交通シミュレーション等業務委託(近鉄大和西大寺駅・平城宮跡周辺の渋滞踏切対策検討事業)第2―委1号」により、いであ奈良営業所(奈良市三条町474ふくもりビル)に委託して業務を進めている。
業務場所は奈良市西大寺東町他。業務概要は交通動態調査、交通シミュレーションモデルの構築、交通シミュレーションの実施。委託期間8年3月23日。担当はリニア・交通まちづくり推進係(電話0742―27―8102)。
大和西大寺駅及び平城宮跡周辺地域では、近鉄線の踏切に起因する渋滞が従前より課題となっている。この地域では踏切道改良促進法に基づく指定を受けた8踏切道の渋滞解消に向け、2年度末に地方踏切道改良計画を策定した。
山下真県知事が5年度に大和西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設について「平城宮跡内を通る近鉄線の移設については見直す必要がある。このため大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の近鉄線は存置する事業案を新たに検討し、現行案と費用対効果の比較等を行い、関係者とも協議のうえ整備方針を決定する」とした。
そこで「令和5年度鉄道概略設計等業務委託(大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設検討事業(都づくり))第580―委―1号」を全日本コンサルタント奈良営業所、「令和5年度まちづくり検討業務委託(大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設検討事業(都づくり))第580―委―2号」を中央復建コンサルタンツ奈良営業所で実施している。いであで進めている業務内容は次の通り。
▽計画準備=業務の目的・趣旨を理解したうえで業務内容を確認して業務計画書を作成する。
▽交通動態調査の検討及び調査実施=現地踏査を実施し、現状の交通状況及び調査地点の諸条件等を確認したうえで調査方法や結果のとりまとめ方法等について「交通動態調査実施計画書」を作成する。想定している調査箇所(図参照)に、現地踏査結果を踏まえ、交通動態の把握に適した地点を検証し、県と協議して選定する。交通量渋滞実態調査マニュアル(案)及び交通調査実務の手引等に基づいて調査を実施し、調査結果を集計整理する。調査は平日及び休日の昼間3時間で、調査日は県と協議して決定する。
▽ミクロ交通シミュレーションモデルの構築及び現況再現性の確認=交通動態調査により得られたデータをもとに、交通動態調査地点における近鉄大和西大寺駅周辺の高架化等による効果を検証するためのミクロ交通シミュレーションモデルを構築する。シミュレーションは調査計画図に示す範囲。作成したモデルを用いて現況再現を実施し、交通動態調査と比較することで現況再現性の確認を行う。
▽将来ミクロ交通シミュレーションの実施=近鉄大和西大寺駅周辺の高架化等状況を反映した交通量推計を実施し、ミクロ交通シミュレーションに必要な交差点方向別交通量を整理する。調査計画図で示す範囲における将来ミクロ交通シミュレーションを実施し、同駅周辺の高架化等による渋滞緩和の効果を検証する。
▽報告書作成=報告書と概要書を作成する。

会員登録
一覧に戻る